【中小企業診断士が解説】事業計画作成ガイド(1) 事業計画と補助金申請

事業計画の作成に、何から始めたらよいのかとお困りの方に向けて「事業計画作成ガイド」をシリーズでお伝えします。

1. 事業計画と補助金申請

事業計画を作成する際に、補助金申請を視野に入れることは、中小企業にとって大きなメリットとなります。

補助金申請には、しっかりとした事業計画が必要不可欠であり、経営理念、ビジョン、目標が明確にされていることが重視されます。

しかし、補助金を目的とした事業計画は本末転倒です。

補助金はあくまで、事業の成長を加速させるための一時的な支援であり、事業そのものが持続的に成長できる計画がなければ、意味がありません。

そのため、補助金を活用する際には、まずは自社のビジョンや目標を明確にすること、そしてその達成に向けた具体的な計画を立てた上で、その計画をサポートするために補助金がどう役立つのかを考えましょう。
補助金採択率が90%を超える実績の私から見ても、あくまで補助金は成功の鍵ではなく、成功のための一つのツールに過ぎません。

2. 経営者や起業家が気を付ける5つのこと

事業計画を作成する際に、特に新規創業を目指す方や、事業拡大を考えている経営者は、まずは次の5つを気を付けましょう。

  1. 市場調査を怠らない:
    自社のビジョンや目標が市場のニーズに合っているかを確認する。
    そのためには、徹底した市場調査を行いましょう。競合他社との比較や、顧客のニーズを把握することで、より具体的な事業計画が作れます。
  2. 現実的な数字を設定する:
    事業計計画を作成する際には、現実的な売上予測やコスト計算を行うことが重要です。
    特に、売上や利益に関する数字は楽観的すぎると、実際の運営に支障をきたす可能性があります。
    具体的なデータに基づいた数値計画を立て、リスクに備えることが経営者としての責務です。
  3. リスク管理を徹底する:
    どんなに素晴らしい事業計画でも、予期せぬトラブルや外部環境の変化が生じることがあります。
    こうしたリスクに備え、プランBや資金の余裕を持っておくことが重要です。
    例えば、売上が計画通りにいかない場合にどのように対応するか、資金繰りが厳しくなった際にどこから資金調達をするかを考えておくと良いでしょう。
  4. 顧客の声に耳を傾ける:
    ビジョンや目標を追求するあまり、顧客のニーズを無視してしまうことはよくある失敗です。顧客が何を求めているのか、何に不満を抱いているのかを定期的にチェックし、フィードバックを反映させることで、事業計画を柔軟に改善していくことが大切です。
  5. モチベーションを維持するための仕組み作り:
    経営者としてのモチベーションを保つことは、特に事業の立ち上げ期において大変重要です。長期的なビジョンに向かっての道のりは決して平坦ではなく、挫折や困難に直面することが多々あります。そこで、短期的な目標を達成するごとに小さな成功体験を積み重ね、その都度自分を称賛し、次のステップに進む意欲を高めることが有効です。

3. 事業計画を推進するために

事業計画が、”絵に描いた餅”にならないためには、経営者やリーダーが計画を具体的にし、行動し続ける必要があります。

経営は長期戦であり、瞬間的な成功に惑わされずに、持続的に成長していくことが求められます。
そのためには、いくつかの実践的な方法を取り入れることが有効です。

事業計画作成ガイド

成功のビジョンを明確にする

経営者自身が「なぜこの事業をやりたいのか」、そして「成功した時の未来の姿」を具体的にイメージすることが重要です。

ビジョンがしっかりと描けていれば、日々の目の前の仕事だけに忙殺されず、困難な時にもそれが指針となります。そしてビジョンによって、気持ちを改め見返すことができ、歩みを止めずに前進し続けることができます。

小さな成果を大切にする

長期的な目標に向かって進む中で、達成感を味わえる機会が少なくなることがあります。
そんな時は、短期的な目標やタスクを設定し、それをクリアすることで得られる達成感を糧にしましょう。

パートナーや周囲の支援を活用する

経営者は孤独になりがちですが、成功を目指すには周囲の協力や支援が欠かせません。家族や友人、ビジネスパートナー、そして同じ志を持つ仲間とのネットワークを活用しましょう。また、メンターやコンサルタントからの助言を受けることは、事業の方向性や、戦略の修正が必要な場合に、迅速に対応できるようになります。

4. 最後に

事業計画を作成するにあたって、経営理念、ビジョン、目標と向き合い、しっかりと設定することは重要です。

具体的なアクションプランを立てることで、経営の舵取りがより明確になり、日々の業務においてもブレずに前進することができます。

また、補助金の申請を考慮する際にも、しっかりとした事業計画が必要不可欠です。補助金は事業の一助となるものであり、事業そのものの成功を支援するツールに過ぎません。

経営者としては、ビジネスの持続的な成長を最優先に考え、長期的な視点に立った事業の運営を心掛けましょう。

この記事を通じて、三鷹市の中小企業経営者や新たに起業を目指す方々が、事業計画を作成する際の一助となれば幸いです。

これからも地域に根ざしたビジネスの発展を共に目指し、地域経済の活性化に貢献していきましょう。

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